クラウドサービスを既存の社内システムに接続したいという相談は、業種を問わず増えています。しかし、実際に接続作業を始める前に確認しておくべき事項は少なくありません。ここでは、計画段階で押さえておきたい主な観点を整理します。
なぜクラウド接続が検討されるのか
多くの企業では、長年運用してきた基幹システムや業務アプリケーションが社内に存在する一方で、営業支援、勤怠管理、データ分析といった領域ではクラウドサービスの利用が広がっています。両者が別々に稼働している状態では、情報の二重入力や確認作業の手間が生じやすく、業務全体の見通しも立てにくくなります。こうした背景から、既存システムとクラウドサービスを接続し、必要な情報を無理なくやり取りできる状態を目指す動きが出てきています。
ただし、接続すること自体が目的ではありません。何のために、どの情報を、どの範囲でつなぐのかを最初に整理しておくことが、後々の混乱を避けるうえで重要です。
接続前に確認したい技術的なポイント
データ形式の互換性
既存システムとクラウドサービスとでは、データの持ち方や形式が異なることが珍しくありません。日付の表記、文字コード、項目の区切り方など、細かな違いが後になって不整合を引き起こすことがあります。接続を検討する段階で、双方のデータ形式を照らし合わせ、変換や調整が必要な箇所をあらかじめ洗い出しておくと安心です。
既存システムにAPIがあるかどうか
クラウドサービス側は一般的にAPIを備えていることが多い一方、社内で長く使われてきたシステムには、外部から呼び出せるAPIが用意されていない場合があります。その場合は、ファイル連携など別の手段を検討するか、接続用の仕組みを追加で用意する必要が出てきます。既存システムがどこまで外部連携に対応しているかを早い段階で確認しておくことが、計画のずれを防ぐ第一歩になります。
セキュリティとアクセス権限
社内システムとクラウドをつなぐということは、これまで内部に閉じていた情報の流れに、新しい経路が加わるということでもあります。誰が、どの情報に、どの範囲でアクセスできるのかを整理し、認証の方式や通信の暗号化、ログの記録方法についても事前に確認しておく必要があります。特に顧客情報や人事情報など、取り扱いに注意が必要なデータを含む場合は、慎重な検討が求められます。
性能とネットワークの観点
クラウドとオンプレミス環境との間には、当然ながらネットワークを介したやり取りが発生します。データ量や通信頻度が想定より多い場合、応答に時間がかかったり、ネットワーク経路に負荷がかかったりすることがあります。接続前には、想定される通信量や利用時間帯の傾向をある程度見積もり、既存の回線や帯域で無理なく対応できるかを確認しておくことが望ましいでしょう。
段階的なテストの重要性
接続の仕組みが整ったとしても、いきなり本番環境全体を切り替えるのではなく、限られた範囲でのテストから始めることをおすすめします。一部のデータや一部の部署に限定して動作を確認し、想定通りに情報がやり取りされているか、エラーが起きた際にどのような挙動になるかを見極めたうえで、段階的に対象範囲を広げていく進め方が、大きな混乱を避けるうえで有効です。
社内の誰を巻き込むべきか
クラウド接続の検討は、情報システム部門だけで完結するものではありません。実際にそのデータを日々使っている業務部門の担当者が加わることで、現場の使い方に即した要件が見えてきます。IT部門が技術的な実現性を確認し、業務部門が実際の運用に即した観点を持ち寄る、という両輪での検討が、無理のない接続につながります。
LIME BLEND COREでは、こうしたクラウド接続に関する検討を、既存の環境を丁寧に把握するところから支援しています。具体的な進め方についてはサービス内容のページでもご紹介しているほか、接続の背景にある技術的な考え方は技術に対する考え方のページでも触れていますので、あわせてご参照ください。
まとめ
クラウドと既存システムの接続は、業務の効率化につながる一方で、事前の確認を怠ると想定外の手戻りにつながりやすい取り組みでもあります。データ形式やAPIの有無、セキュリティ、性能、そして社内の体制といった観点を一つずつ確認しながら、段階的に進めていくことが、無理のない接続の実現につながります。
現在の環境について伺わせてください
クラウド接続を検討中の方は、現状のシステム構成や課題感をお聞かせください。無理のない進め方をご提案します。