Technology

システムをつなぐ、基本的な考え方

このページでは、LIME BLEND COREがシステム統合やデジタル基盤の設計において大切にしている技術的な原則を紹介します。特定の製品やサービスの宣伝ではなく、業務担当者の方にも理解しやすいよう、基本的な考え方を整理してお伝えすることを目的とした、教育的な内容です。

Integration Layers

統合の全体像

アプリケーション、データ、クラウド、APIという異なる要素は、それぞれ単独では断片的な存在です。これらを整理し、ひとつの統合レイヤーへとつなげていくことが、基盤づくりの出発点になります。

アプリケーション
データ
クラウド
API
CORE統合
レイヤー
Foundations

技術的な基礎知識

以下では、企業システムの統合に関わる基本的なテーマについて、順を追って解説します。専門用語はできるだけ避け、実務担当者の方にもわかりやすい説明を心がけています。

01モジュール型システム

モジュール型システムと相互運用性

モジュール型システムが相互に接続し合うイメージ図

モジュール型システムとは、ひとつの大きな仕組みを、役割ごとに分かれた小さな部品(モジュール)の組み合わせとして構成する考え方です。会計、在庫管理、顧客管理といった機能をそれぞれ独立した部品として扱うことで、一部を変更したいときに全体を作り直す必要がなくなります。

相互運用性とは、こうした異なる部品同士が、決まった手順や形式に沿って情報をやり取りできる状態を指します。部品がそれぞれ独自のやり方で動いていると、後から連携させることが難しくなります。設計の早い段階で、共通のルールを意識しておくことが、将来の統合をしやすくします。

モジュール型の考え方は、新しい仕組みをすべて置き換えるという発想とは異なります。既存の資産を活かしながら、必要な部分だけを段階的に整理していく、現実的なアプローチです。

02API

APIが担う役割

API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、異なるシステムやアプリケーションが情報をやり取りするための、決められた窓口のようなものです。窓口の形式が明確であれば、内部の仕組みを詳しく知らなくても、必要なデータや処理を安全に呼び出すことができます。

企業システムの統合においては、APIが接続の起点になることが多くあります。社内システムとクラウドサービスをつなぐ場合も、部門をまたいでデータを共有する場合も、多くはAPIを通じたやり取りが基本になります。

一方で、APIをむやみに増やしていくと、管理が難しくなり、どこで何が起きているかを把握しづらくなります。どのAPIが、何のために、どのように使われているかを整理しておくことが、長期的な運用のしやすさにつながります。

03クラウドインフラ

クラウドインフラの基本的な考え方

クラウドインフラとは、自社で物理的な機器を保有・管理する代わりに、外部の事業者が提供するサーバーやストレージなどの基盤を、必要な分だけ利用する仕組みです。導入や拡張の際に、機器の調達を待つ必要がないという利点があります。

ただし、クラウドを導入すればすべての課題が解決するわけではありません。既存のオンプレミス環境とどのように接続するか、どのデータをどこに置くか、どのような権限で誰がアクセスできるようにするかを、事前に整理しておく必要があります。

クラウドとオンプレミスを組み合わせて使う「ハイブリッドな環境」は、多くの日本企業にとって現実的な選択肢です。急いで全面移行するのではなく、業務の実態に合わせて段階的に検討することが望ましいと考えています。

04統合レイヤー

統合レイヤーとは何か

統合レイヤーとは、複数のシステムやアプリケーションの間に置かれる、共通の橋渡し役となる層のことです。個々のシステムが直接複雑に絡み合うのではなく、この層を経由してデータや処理をやり取りすることで、全体の構造を整理しやすくなります。

統合レイヤーを設けずに、システム同士をその場しのぎで直接つなげていくと、時間が経つにつれて依存関係が複雑になり、ひとつの変更が思わぬ範囲に影響を及ぼすことがあります。統合レイヤーは、そうした複雑さを一定の場所に集約するための考え方です。

これは特定のソフトウェア製品を指す言葉ではなく、設計上の役割を表す概念です。企業ごとの環境に応じて、その実現方法は異なります。

05データフロー

データフローを把握する

複数のシステム間をデータが流れていく様子を示す図

データフローとは、データがどこで生まれ、どのシステムを経由し、どこに保存され、最終的にどこで使われるのかという一連の流れのことです。この流れを把握しないまま統合を進めると、同じデータが重複して存在したり、更新のタイミングがずれたりする問題が起こりやすくなります。

データフローを図として整理することで、どの部分に無駄があるか、どこで情報が滞留しているかが見えやすくなります。これは技術的な作業であると同時に、業務の流れそのものを見直す機会にもなります。

統合を検討する際は、まずシステム同士のつなぎ方よりも先に、データがどのように流れているのかを確認することを勧めています。

06システム監視・可視化

システムの監視と可視化

システムを統合すると、関わる要素の数が増え、全体を把握することが難しくなりがちです。監視の仕組みは、今どのシステムが正常に動いているか、どこかで処理が滞っていないかを、日々の運用の中で確認できるようにするためのものです。

可視化とは、こうした状態を人が理解しやすい形で示すことを指します。数値の羅列だけでは気づきにくい変化も、図やグラフとして表すことで、担当者が早い段階で異常に気づける場合があります。

監視や可視化は、導入して終わりではなく、日々の運用の一部として継続的に活用されて初めて意味を持ちます。導入時には、誰が、どのような頻度で確認するのかも合わせて検討する必要があります。

07スケーラブルなアーキテクチャ

拡張性を意識したアーキテクチャ

拡張性を意識した階層構造のシステムアーキテクチャ図

スケーラブルなアーキテクチャとは、利用者数や取り扱うデータの量が増えても、大幅な作り直しをせずに対応できるよう設計された構造のことです。企業の成長や事業内容の変化に応じて、システムの負荷も変わっていくため、最初の設計段階でこの点を考慮しておくことが重要です。

拡張性は、単にサーバーの性能を上げることだけを意味しません。役割ごとに分かれたモジュール型の構成や、明確な統合レイヤーがあることによって、必要な部分だけを個別に拡張しやすくなります。

将来の規模を正確に予測することは誰にもできません。だからこそ、変化に対応しやすい構造を選んでおくことが、長期的な安心につながります。

08セキュリティを意識した設計

セキュリティを前提とした設計

システム統合においては、利便性を高めることと、安全性を保つことのバランスが常に問われます。セキュリティを意識した設計とは、後から対策を付け足すのではなく、誰が何にアクセスできるか、どの情報をどこに置くかを、設計の最初の段階から考慮しておく考え方です。

特に複数のシステムやクラウドサービスをつなぐ場合、接続点が増えるほど、注意すべき箇所も増えていきます。アクセス権限の管理や、通信の保護、ログの記録といった基本的な対策を、一つひとつ丁寧に積み重ねていくことが求められます。

セキュリティは一度整えれば終わるものではなく、環境の変化に合わせて継続的に見直していく必要がある領域だと考えています。

技術の考え方を、実際の課題に照らして

ここで紹介した考え方が、実際にどのような形でソリューションに反映されているかをご覧いただけます。現在の環境についてのご相談も承っています。

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